【連載7】メンタル面の強さをチェックする

 




 メンタルトレーニングを始める前に、私たちは必ず選手のメンタル面の強さをチェックするために、スポーツ心理テストを使い、
科学的に選手のメンタル面を分析します。
 例えば、心理的競技能力検査(DIPCA.3)というスポーツ心理テストを使い、選手のメンタル面の強さ、
やる気(忍耐力・闘争心・自己実現意欲・勝利志向性)、メンタル面が安定して試合で実力を発揮できるか
(セルフコントロール・リラックス・集中力)、自信(決断力・自信)、イメージ能力や作戦能力(判断力・予測力)、
協調性などを分析し、今後どのようなメンタル面強化をすればいいのかの情報とします。
 また、体協競技意欲検査(TSMI)というスポーツ心理テストでは、選手のやる気を怩ノ分類してチェックできます。
他にも試合前や試合中の心理状態、チームワークやチームに対する思い入れ、さらにはコーチと選手の人間関係なども
チェックできるスポーツ心理テストがあります。
 今までは、「この選手はこうだ! こんな選手だ! 精神力が弱い」などというコーチの思い込み程度のレベルでしか
選手を分析していませんでした。また、無知なコーチは、性格検査や血液判定などで選手をみていたのです。
 メンタル面の強さは、性格とは関係なく、強化(トレーニング)すれば強くなるという考え方です。まして、血液判定など論外です。
自分の経験と勘で選手を判定し、もしかして素晴らしい素質を持って選手をだめにしていたことも考えられます。
 もちろん、スポーツ心理テストですべてが分析できるわけではありませんが、コーチの経験と勘に加えて、科学的なデータをも使い、
チームや選手のデータベースを作り、そのデータをうまく活用していく時代がきたと考えてください。「そんなことめんどくさい」と
思いの方も多いと思います。あなたがどれだけ、うまくなりたい(上達させたい)のか、試合で勝ちたいのかという思いがあるかないかが、
これからのあなたの行動を決めるでしょう。

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宮崎日日新聞掲載 高妻容一氏 著