【連載2】心・技・体 |
日本のスポーツ界において、「技・体」の指導や練習は、オーバーワークになるくらい時間を費やしています。
その答えは、「質の高い練習で選手がより早く合理的に上達する」とか「試合で勝つ可能性を高める方法がある」
日本では、伝統的に練習を多くやればうまくなるという考え方がされてきました。選手にきつい練習をさせ、追い込めば、
スポーツにおける「心・技・体」とは、どんなことを意味するのでしょうか? この連載における
「心」は、メンタル面・心理面・精神力・気持ちの強さ・ハートが強いなどの言葉で表現されることがらです。また、
「技」は、技術(テクニック)・技能(スキル)・作戦・戦術などの言葉で表現できます。さらに、
「体」は、体力・身体・筋力・体格などの言葉で表現できると思います。
しかし、外国と比較した時、日本の選手の方が練習時間は長いのに、オリンピックなどでは勝てないのです。
例えば、アトランタオリンピックでは、アメリカが101個のメダルを獲得、日本は14個しか獲得していない事実をご存知でしょうか?
練習時間の短いアメリカがなぜ、これほどまでにメダルを獲得しているのでしょうか?
そこには、オリンピックトレーニングセンターを中心としたスポーツ科学の応用があると言われています。
スポーツ科学を取り入れるとなぜ試合で勝てるようになるのでしょうか?
ということがいえると思います。短い時間でより効率的に効果を出す、試合で勝つ可能性を追求した方法を使うなどの
合理的・論理的な考えが、試合で勝つということにつながるのだと考えられます。
また練習を多くやれば精神力はつくなどという古い考え方が科学的なメンタル面のトレーニングを、海外より遅れさせたのです。
確かに、この方法でもメンタル面が強くなった選手もいたでしょうが、落ちこぼれていった選手の方が多かったのも事実です。
宮崎日日新聞掲載 高妻容一氏 著 |