【連載12】選手が最高能力を発揮する心理状態 |
選手が最高能力を発揮する心理状態を、理想的な心理状態・ゾーン・フロー・火事場の馬鹿力という表現をします。つまり、
スポーツ選手がいいプレーや新記録などを達成する時は、ある種の心理状態になっているといわれます。その心理状態は、
緊張はしているのだがいい緊張感で、リラックスはしているのだがリラックスしすぎていない適度(理想的)な心理状態だと
いわれています。あるテレビ番組で「ゾーン」というものがあります。このタイトルの意味するものが、スポーツ選手がすばらしい
プレーをする時の、また、すばらしい選手になるための条件です。オリンピックで金メダルをとるようなトップレベルの選手ほど、
この理想的な心理状態をすぐ作れると言われています。だからこそコンスタントに自分の実力を発揮し、いつでもいい成績を残せるのです。
たとえば、大リーグで活躍するイチロー選手は、ベンチからネクスト・バッターズ・サークルまで、いつも同じように歩いて、
そこでの動作、打席までの歩き方から打席に入り、バットをぐるりと回す動作までを、打席で集中するために大切な時間、
打つための重要な準備の時間だという表現をしています。これは、集中力のところでお話するとは思いますが、彼が最高能力(実力)を
発揮するための心理状態へ入るための手順である、パフォーマンス・ルーティーンだということができます。
一流選手ほど、自分がコンスタントに実力を発揮するための「方法・手順・プログラム」(パフォーマンス・ルーティーン)を持っています。
ただ、ある選手はそれを意識し、ある選手は無意識で、ある選手は何にも考えなく気にしないで自然に、ある選手は意識して
トレーニングを積んで、またある選手はそんなことは一切考えたこともないし、気づかないで選手を終わるのです。
つまり、この理想的な心理状態を作り最高能力を発揮する目的で、メンタル面強化のメンタルトレーニングを実施しするのです。
宮崎県出身の黒木投手(ロッテ)も、このパフォーマンス・ルーティーンをピッチングの中に取り入れて、活躍をしてくれている
選手の一人です。
宮崎日日新聞掲載 高妻容一氏 著 |