【連載20】まとめ |
この連載も今回で最後となりました。残念ながら、メンタル面強化の何百分の1しか紹介できなかったことは心残りですが、
このような方法があると言うことを理解していただき、宮崎の国体チームや宮崎のスポーツ界全体の競技力向上に少しでも
参考になったならうれしく思います。それでは、最後にまとめてみましょう。
メンタルトレーニングとは、競技力向上を目的に、メンタル面を強化して選手の上達と実力発揮をさせようというものです。
英語では「心理的スキルトレーニング」といい、次のような基本的な「心理的スキル」をトレーニングするという考え方です。
?やる気を出すための「目標設定」や「メンタルプラン」、?試合の場面でいつもの実力を発揮するためのセルフコントロール
をするための「リラクゼーション(気持を静める)」や「サイキングアップ(気分を乗せる)」、?新しいテクニックを身に付けたり、
身に付けたテクニックをうまく発揮するための「イメージトレーング」、?集中して質の高い練習をしたり、試合で良いプレーを
するために必要な「集中力」、?強気で自信を持って試合に臨むために必要な「プラス思考」、?試合中の感情をコントロールし、
集中力を回復する「セルフトーク(自己会話・自己暗示)」、?試合で勝つ可能性を高める「心理的準備」(心理的コンディショニ
ングも含む)以上をパッケージ化したプログラムで、より効果を高め、メンタル面の準備や強化(トレーニング)をするという考え
方です。
この連載の依頼をいただいたきっかけは、宮崎第一高校空手部がメンタル面強化を始め、3年で全国大会5回優勝という成
果を取材されたことからです。すでに宮崎のチームがメンタル面強化でその実績をあげていることを理解していただき、海外で
は、当たり前のこのトレーニングも、日本では10−20年単位で遅れています。宮崎の指導者達が、スポーツ心理学の背景のあ
る科学的なトレーニングに興味を示してもらえればうれしく思います。また宮崎出身者として、国体チームのさらなる健闘を祈り
ます。
参考文献:今すぐ使えるメンタルトレーニング・明日から使えるメンタルトレーニング・大リーグのメンタルトレーニング・トップ
レベルのメンタルトレーニング・ベースボールクリニックで野球選手のメンタルトレーニングを連載中、実践メンタルトレーニン
グビデオ(ベースボールマガジン社)、サッカー選手のためのメンタルトレーニング(TBSブリタニカ)
宮崎日日新聞掲載 高妻容一氏 著 |